京都・大学ミュージアム連携は、2011年に文化庁文化芸術振興費補助金「文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」の助成を受けて、京都の大学ミュージアムが収蔵する文化遺産をひろく展示・公開することにより、京都という地域の文化的特性を示すとともに、京都文化を活性化することを目的として成立をしました。
具体的には、京都・大学ミュージアム連携に加わっている大学ミュージアムの展示をできるだけ多くの人びとに見ていただけるようにするとともに、大学ミュージアムが収蔵する多彩で多様な品々による展覧会を京都外の土地で開催することにより、古社寺の文化遺産というイメージの強い京都の新たなイメージを提示し、それを地域の活性化につなげたいと考えています。
2012年度に実施した京都・大学ミュージアム連携合同展覧会「大学は宝箱!―京の大学ミュージアム収蔵品展―」は、マスコミにも多く取り上げられ社会的注目を集めるとともに、全国の各都市における大学ミュージアムからも注目を集めました。2013年度には、九州産業大学美術館のご協力のもと、福岡市内にある九州大学総合研究博物館、九州産業大学美術館、西南学院大学博物館および佐賀大学美術館と京都・大学ミュージアム連携との合同展覧会を九州産業大学美術館で開催し、地域を越えた大学ミュージアムの交流を実現しました。これにより、京都文化の多様性を九州地方にも伝えることができ、同時に京都の地域文化の活性化にもつながりました。
今年度は、東北歴史博物館のご協力を得て、京都・大学ミュージアム連携合同展の場を東北に求め、本連携の事業とその意義、そして京都の大学ミュージアムが収蔵する多彩な考古歴史資料、美術工芸資料をより多くの方々に知っていただきたいと考えています。また、東北学院大学博物館、東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館とも共催というかたちであらたな連携をはじめることができました。大学ミュージアム連携の輪をさらに広げることにより、それぞれの館の活動や収蔵品の数々を多くの皆様に楽しんでいただきたいと考えています。
出品作品は、各大学ミュージアムがそれぞれの収蔵品のなかから選んだ約140点であり、全体はおおきく三部から構成されます。
第I部は、各大学ミュージアムの代表的な収蔵資料であり、大学の個性を示し、同時に美術的、歴史的にも価値の高い「大学の宝物」です。第II部は、京都の大学ならではの、京都の歴史や文化、美術工芸の発展などを伝える作品、資料類を「京都の歴史と暮らし」として展示します。そして、第III部は、京都と東北、各大学ミュージアムと東北との関係を示す作品、資料を展示する「東北との絆」です。