纏う図案―近代京都と染織図案Ⅰ

※このイベントは終了いたしました。

纏う図案―近代京都と染織図案Ⅰ

会 場京都工芸繊維大学美術工芸資料館1階
会 期2017年9月25日(月)~11月2日(木)
休館日10月21日(土)、22日(日)
入館料無料
主 催京都工芸繊維大学美術工芸資料館、京都市立芸術大学芸術資料館
共 催立命館大学アート・リサーチセンター文部科学省 共同利用・共同研究拠点「 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点」京都・大学ミュージアム連携参加校
助 成京都・大学ミュージアム連携が中核となる地域文化の発展・発信と連携事業のグローバルな展開(平成29年度 文化庁 地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業)
リーフレットPDF

概要

美術工芸作品や産業製品をつくるためにはアイデアを描いた「下絵」が必要になります。下絵を描くことにより、アイデアをかたちにする準備が進められていくのです。明治期には下絵のことを「図案」と呼び、政府が主体となって新たな意匠を創出するよう産業界へ働きかけました。政府による奨励や産業界の危機意識もあいまって、懸賞付きの図案募集が各地で開催されるようになりました。

百貨店や呉服店が中心となって染織業の図案募集が盛んに開催されましたが、明治25年(1892)に友禅染業者の団体である友禅図案会(のちの友禅協会)が懸賞付き図案募集を開催したのが早い時期のもので、明治44年(1911)まで継続して図案を募集しました。現在は一般財団法人京染会が保存・管理しています。該当の図案群は、文献資料と図案資料とを照合することにより、友禅協会へ応募された図案であることが判明しました。本展覧会では、応募された図案を通じて図案の発展や流行の変化、あわせて同時期に制作された染織品もご覧頂きたいと思います。

一方、新たな図案と人材の需要は教育機関の設置へとつながり、明治24年(1891)には京都市立美術工芸学校に工芸図案科が新設され、明治35年には京都高等工芸学校が機織科、色染科、図案科の三科で設立され、教育を開始しました。専門的な教育を受けた生徒たちは、海外から新しく取り入れられたデザインと日本の伝統的な意匠の両方を習得し、新たな図案へと展開していきました。こうした新たな図案は産業界からも注目され、生徒の中には、在学中から学外の図案募集に入選する者もいて、産学のつながりが浅からぬものであったことを物語っています。

本展覧会では、こうした下絵=図案に焦点をあて、明治期を中心に描かれた図案を産業・教育の両面から紹介し、京都における工芸・産業の発展の一側面をご覧いただきたいと思います。

関連イベント:シンポジウム「近代京都と染織図案」

日 時2017年10月1日(日)13:30~17:45
会 場京都工芸繊維大学60周年記念館2階
基調講演森仁史(柳宗理記念デザイン研究所シニアディレクター)
講 演平光睦子(同志社女子大学)
松尾芳樹(京都市立芸術大学芸術資料館)
加茂瑞穂(日本学術振興会特別研究員/京都工芸繊維大学)
岡達也(京都工芸繊維大学美術工芸資料館)
司 会並木誠士(京都工芸繊維大学美術工芸資料館館長)
申込不要、入場無料

纏う図案―近代京都と染織図案Ⅰ

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