[京都工芸繊維大学美術工芸資料館]
浅井忠と博覧会ポスター
1900年、西洋画研究のため2年間のパリ留学へ出発した浅井忠(1856-1907)は、アール・ヌーヴォーをはじめとする華やかな装飾芸術に接し、魅了されました。そして、京都工芸繊維大学の前身校のひとつである京都高等工芸学校の設立準備のためヨーロッパを視察中であったのちの校長、中澤岩太(1858-1943)に誘われ、東京美術学校西洋画科の教授から、京都高等工芸学校図案科の教授へと転身します。
中澤の依頼を受け、浅井は現地で図案科(デザイン)の教材として陶磁器や石膏像のほか、大型広告(ポスター)を収集したといわれます。どれと確定するすべはありませんが、開校当初より存在していたシェレやスタンラン、ロートレックなどのヨーロッパ製のポスターがこれに該当するものと思われます。
2016年、これらのポスターに加えてあらたにイタリアの博覧会ポスターが2点発見されました。
1902年、パリでの留学を終えた浅井はトリノや、ローマ、ナポリ、フィレンツェ、ヴェネツィアを巡り、さらにヨーロッパを歴訪して帰国の途につきました。イタリアの博覧会ポスターは、おそらくこの間に収集したものと考えられます。
いまでは額装されているポスターの多くも、当時は軸装され、講義で掛図として利用されていたと考えられます。今回発見されたポスター2点については、当時の様相を残すためにあえて軸装のまま、修復をおこない、公開することとなりました。
これにあわせ、浅井がヨーロッパで魅了され、日本でのデザイン教育のために収集したポスターと、当館が収蔵する博覧会のポスターを展示します。
個性あふれるポスターの数々をぜひお楽しみ下さい。
展示会場:京都工芸繊維大学美術工芸資料館1階ホール、第1展示室
展覧会名 | 浅井忠と博覧会ポスター |
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会期 | 2018年1月9日 〜 2018年2月16日 |
開館時間 | 10:00 – 17:00 入館は16:30まで |
休館日 | 日曜日・祝日、1月13日(土) |
入場料 | 一般200円、大学生150円、高校生以下無料 |
URL | http://www.museum.kit.ac.jp/20180109a.html |