[京都工芸繊維大学美術工芸資料館]
新デザインへの渇望 ―京都高等工芸学校とドイツ・オーストリアのアール・ヌーヴォー【再開催】
美術工芸資料館では、十分な感染防止対策を講じた上で、10月1日(金)より開館いたします。8月に早期終了となった本展覧会の一部を、10月1日(金)~11月6日(土)の期間、公開いたします。
京都工芸繊維大学の前身校のひとつ京都高等工芸学校では、1902(明治35)年の開校時より、デザイン教育のため海外からさまざまなジャンルのデザイン資料が収集されました。その範囲は、イギリスやフランスをはじめ、イタリア、デンマーク、ドイツ、オーストリア、ハンガリー、アメリカと幅広い地域に及んでいます。なかでも1900年のパリ万国博覧会をきっかけに世界的な反響をよびおこしたフランスを中心とするアール・ヌーヴォー様式は、図案科の初代教授、浅井忠(1856-1907)らの活動もあって、京都高等工芸学校の初期教育に大きな影響を及ぼしました。
一方で、初代校長の中澤岩太(1858-1943)や色染科の教授、鶴巻鶴一(1873-1942)らの留学先であったドイツや、武田五一(1872-1938)がイギリス留学の際に立ち寄ったオーストリアのデザインもまた、彼らに刺激を与えるものでした。1907年の浅井の死後、武田と本野精吾(1882-1944)が中心となった図案科の教育は、時代の要請にしたがって、京都の伝統産業である美術工芸品のデザインから、室内装飾や建築装飾を含む総合的なデザイン教育へと変化していきます。そこには、総合芸術をめざしたウィーン・ゼツェッションの活動やその成果として生み出されたユーゲント・シュティールが少なからず影響を与えたと考えられます。
本展では、今年開館40周年を迎える京都工芸繊維大学美術工芸資料館がこれまで蓄積してきたドイツ・オーストリア周辺のデザイン資料のなかから、近年まとまって展示することのなかった、1902年の京都高等工芸学校開校時から1915年にかけて購入した作品を公開します。伝統的な美術から脱皮し、新しいデザインを模索した京都高等工芸学校で受容された多彩なデザインをお楽しみください。
○企画・主催
京都工芸繊維大学美術工芸資料館
当館における新型コロナウイルス感染症への対応については、下記をご覧ください。
http://www.museum.kit.ac.jp/img/20200907news.pdf
展覧会名 | 新デザインへの渇望 ―京都高等工芸学校とドイツ・オーストリアのアール・ヌーヴォー【再開催】 |
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会期 | 2021年10月1日 〜 2021年11月6日 |
開館時間 | 10:00 – 17:00 入館は16時30分まで |
休館日 | 日曜日・祝日、10月23日(土) |
入場料 | 一般200円、大学生150円、高校生以下無料 |
URL | https://www.museum.kit.ac.jp/20211001s.html |