[京都工芸繊維大学美術工芸資料館]
麗しのリバティ―花柄パターンの魅力
染織産業が盛んであった京都では、明治時代に入り、西洋から流入した新しい技術やデザインを参考に、服飾や室内装飾のためのファブリックの機械生産に乗り出しました。明治35年(1902)に開校した京都工芸繊維大学の前身校のひとつ京都高等工芸学校でも、教材として、西洋各国からさまざまな柄や技法をつかった生地を収集しています。
なかでもひときわ華やかなのが、リバティ商会(Liberty & Co.)をはじめとするイギリスのファブリックの数々です。1875年、アーサー・ラセンビィ・リバティ (Arthur Lasenby Liberty, 1843-1917)によって、ロンドンのリージェント・ストリートに設立されたリバティ商会は、世界中から集めた装飾品や美術品販売で成功をおさめ、のちに上質な生地を用いた優美な花柄パターンのプリントを手がけ、一躍有名になりました。
世界に先駆けて産業革命を達成したイギリスでは、その反動として、職人の手仕事を再評価し、生活と芸術を結びつけようとするアーツ・アンド・クラフツ運動が呼び起こされ、ウィリアム・モリス(William Morris, 1834-96)らによる多彩なデザイン活動によって、人びとの関心は生活空間を彩る壁紙や家具、インテリアへと惹きつけられました。そのなかで花開いたリバティのデザインは、大胆なアール・ヌーヴォーから緻密で繊細なオリエント風のものまで、今も多くの人々を魅了しています。
厳しい夏のさなか、麗しいリバティのデザインの魅力をぜひご堪能ください。
展覧会名 | 麗しのリバティ―花柄パターンの魅力 |
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会期 | 2023年8月7日 〜 2023年9月9日 |
開館時間 | 10:00 – 17:00 入館は16:30まで |
休館日 | 日曜日、8月12日(土)~17日(木) |
入場料 | 一般200円、大学生150円、高校生以下無料 |
URL | https://www.museum.kit.ac.jp/20230807l.html |