[京都工芸繊維大学美術工芸資料館]
サトウサンペイの世界―四コマで切り取る昭和―
ある年齢以上の方は、朝日新聞の四コマ漫画と言えば、長谷川町子の「サザエさん」サトウサンペイの「フジ三太郎」という印象をお持ちなのではないでしょうか。
昭和時代の前半の典型的な家族である磯野家を舞台とした「サザエさん」に対して、「フジ三太郎」は、それよりも一世代若いフジ家が舞台となっています。万年ヒラのサラリーマンであるフジ三太郎の、会社と家庭での「活躍」が主題であり、「フジ三太郎」は社会派マンガと家庭マンガの両方の要素を兼ね備えた新聞マンガとして、26年半の間、朝日新聞の紙面から読者を楽しませてくれました。
その「フジ三太郎」の作者であるサトウサンペイ氏は、1928年名古屋市の生まれ。大阪で育ち、旧制生野中学校(現在の大阪府立生野高等学校)を卒業後、京都工芸繊維大学の前身である京都工業専門学校に入学しました。卒業後、大丸(現在の大丸松坂屋百貨店)に入社し、同社の宣伝部に勤めながら四コマ漫画を手がけるようになり、1957年から大阪新聞に「大阪の息子」の連載をはじめ、漫画家としてのデビューを果たしました。朝日新聞の「フジ三太郎」は、1965年4月1日から連載をはじめており、当初は夕刊で、1979年からは「サザエさん」の跡を継いで朝刊へと場を移しました。連載は、途中のわずかな中断があるものの1991年9月30日まで26年と半年のあいだ続き、その数は8168回に及んでいます。「フジ三太郎」のほか、「夕日くん」「アサカゼ君」などが代表作として知られており、1966年に文藝春秋漫画賞受賞。1991年には都民栄誉賞、1997年には紫綬褒章を受章。現在84歳、きわめてお元気です。
京都工芸繊維大学美術工芸資料館では、サトウサンペイ氏の半世紀以上にわたる作家生活を振り返り、なかでも代表作である「フジ三太郎」を中心にした展覧会を開催いたします。展覧会では、昭和という時代をサトウサンペイ氏の視点で、つまりフジ三太郎の視点で捉え直してみたいと思います。ユーモアと風刺、そして、茶目っ気とお色気にあふれたサトウサンペイの世界をお楽しみください。
展覧会名 | サトウサンペイの世界―四コマで切り取る昭和― |
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会期 | 2014年5月26日 〜 2014年8月9日 |
開館時間 | 10:00 – 17:00 入館は16:30まで |
休館日 | 日曜、祝日 *ただし、6月8日(日)は開館します |
入場料 | 一般 200円、大学生 150円、高校生以下 無料 |
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