[京都工芸繊維大学美術工芸資料館]
ティファニーからルクウッドまで―新興アメリカデザインへの注目
京都高等工芸学校シリーズ第3弾は、アメリカの工芸デザインをとりあげます。
明治35年(1902)、京都の伝統産業の近代化と新しいデザインをうみだす人材育成を目的として京都高等工芸学校が開校しました。同校では、教材としてポスターや工芸品など多くのデザイン資料が収集されました。校長の中澤岩太(1858-1943)をはじめ、図案科初代教授をつとめた洋画家の浅井忠(1856-1907)や建築家の武田五一(1872-1938)らは、留学や「アール・ヌーヴォーの勝利」と謳われた1900年パリ万国博覧会をつうじて、ヨーロッパの技術やデザインをまなび、積極的にその手法を教育に取り入れました。そのため開校初期の教材にはヨーロッパ由来のものが多くみられます。
一方で、1860年代後半から本格的に産業革命を展開したアメリカは、独立100周年を記念した1876 年のフィラデルフィア万国博覧会の開催をきっかけに、多数の博覧会を成功させ、19世紀末にはヨーロッパを凌ぐ生産力をみせるようになります。デザインの分野でも独自のアール・ヌーヴォーを開花させ、世界の注目を集めました。京都高等工芸学校でも、明治39年に図案科助教授の牧野克次(1864-1942)らが渡米し、現地で活躍をするとともに、明治41年には、武田五一も議院建築の調査のため欧米を視察し、サクラメントやワシントンを訪問しています。また1909年からルイス・コンフォート・ティファニー(1848-1932)によるガラス器やルクウッド製陶所、ヴァン・ブリッグル製陶所による陶器などが教材として収集されており、アメリカの新興デザインを強く意識しはじめていたことがわかります。
京都高等工芸学校の教員たちが注目した19世紀末から20世紀初頭のアメリカの工芸デザインの魅力をお楽しみください。
展覧会名 | ティファニーからルクウッドまで―新興アメリカデザインへの注目 |
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会期 | 2024年11月11日 〜 2024年12月21日 |
開館時間 | 10:00 – 17:00 入館は16:30まで |
休館日 | 日・祝日(ただし11月23日(土祝)は開館します) |
入場料 | 一般200円、大学生150円、高校生以下無料 |
URL | https://www.museum.kit.ac.jp/ |