[京都工芸繊維大学美術工芸資料館]
アフリカ×日本:アレワ紡の時代―ナイジェリアと日本の繊維生産 1963-2005―
本展は、日本の経済協力によって、1965年にナイジェリアで生産を開始したアレワ紡績株式会社(アレワ・テキスタイルズ Arewa Textiles Ltd. 2005年閉鎖)に関する資料を紹介するものです。工場建設が始まった1963年から、日本企業の撤収した1988年まで、アレワ紡に勤務した歴代の方々から寄贈された貴重な資料の数々を展示します。
京都工芸繊維大学美術工芸資料館では、2010年から機械捺染に関わる展覧会を行ってきましたが、2013年に開催した「京都からアフリカへ 大同マルタコレクションにみる1960年代京都の捺染産業」展において、京都という伝統産業の地から、遠くアフリカに向けて大量のプリント生地を生産していたことが明らかになりました。この展覧会の後、日本のアフリカ向けプリントについての研究が広がり、日本の技術提供で現地生産を行った「アレワ紡」資料の調査につながりました。いわば、もう一つのアフリカンプリント生産といえる資料で、今回が初めての紹介となります。
アレワ紡は日本の十大紡(大日本紡績、東洋紡績、敷島紡績、大和紡績、倉敷紡績、呉羽紡績(のちに東洋紡績に合併)、鐘渕紡績、冨士紡績、日清紡績、日東紡績)が60%(ナイジェリア40%)を共同出資して、ナイジェリア北部州カドナに設立した繊維生産工場です。原綿から製糸、織布、染色、加工の一貫工場で、当初は、紡績1万錘、織機400台、晒加工1セットでスタートし、のちに現地従業員4000人を超える西アフリカ有数の工場となりました。十大紡のほか、大阪染工、笠野染工、高木彫刻、ニチメンから専門の技術者が現地に赴任し、技術指導や経営を行いました。またアレワ紡は、日本のODA(政府開発援助)の先駆けでもありました。
1960年代から1980年代まで日本の繊維産業の技術者たちが、アフリカの現地従業員たちと製造したアフリカンプリントは、当時の現地生産を語る貴重な資料といえるでしょう。アレワ紡に関する作業書類や写真などもあわせ、繊維産業を通した日本とアフリカの交流の一面を知る機会となれば幸いです。
関連企画
○トークショー「〈アレワ紡の時代〉を語る」
当時を知る方にお話を聞く座談会&ギャラリートーク
日時:2023年1月27日(金)14:00~16:00
場所:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
*入館料が必要です。
*新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、開催を中止させていただく場合があります。
ご来場前に必ず当館ホームページにて開催の有無をご確認ください。
○主催:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
○企画:京都工芸繊維大学美術工芸資料館/青木美保子/上田文
○協力:京都・大学ミュージアム連携/立命館大学アート・リサーチセンター 文部科学省 国際共同利用・共同研究拠点「日本文化資源デジタル・アーカイブ国際研究拠点」
展覧会名 | アフリカ×日本:アレワ紡の時代―ナイジェリアと日本の繊維生産 1963-2005― |
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会期 | 2023年1月10日 〜 2023年2月17日 |
開館時間 | 10:00 – 17:00 入館は16時30分まで |
休館日 | 日曜日・祝日、1月14日(土) |
入場料 | 一般200円、大学生150円、高校生以下無料 |
URL | https://www.museum.kit.ac.jp/20230110a.html |